もう一度だけ、キミに



西藤、って今、
先生はそう言った?


否、まさか、そんな。



「――…柳瀬さんの様子を見に来て…。
今、柳瀬さんって居ますか?」



ほ、本人だああぁああ!!!!
西藤本人の声だああぁぁああ!!!!!



先程のまでのセンチメンタルな気持ちが一気に吹っ飛ぶ驚き。


え、何?何これどっきり?


若干パニックになり、
そんなアホな事を考え出す私。


「あら、そうなの~。柳瀬さんなら、今、そこのベッドで寝てるわ」


「そうですか。入って大丈夫ですか?」


「大丈夫だと思うわよ。
静かにしていれば」



いやいや、先生。
私、大丈夫じゃありません。



「あ、じゃあ、様子を見に来たなら西藤君次いでに暫く柳瀬さんを見ててもらえるかしら?私、これから職員会議だったの忘れててね」


「あ、はい。分かりました」



分からなくて宜しい。



「…確か、西藤君って柳瀬さんと同じバスに乗るわよね?」


「え?はい」


「なら、バスの時間になったら柳瀬さん起こしてもらえないかしら?多分、柳瀬さんの乗るバスまで会議終わりそうにないし」



会議早く終わらせて
カムバックして下さい、先生。



「そうなんですか、分かりました」


「お願いね、鍵は開けて帰ってくれて構わないから」


「はい」



そしてあれよあれよという間に
バタンと閉まった扉。


かくいう私はふと、
ある重要な事に気付く。


今、この保健室には誰か私と西藤以外居るのか、と言う事に。


…確か、私がこの保健室に来た時、
ここに居たのは先生だけだったような…。


他の生徒は見なかったはず…。



と言うことは、だ。



「…さてと」



今、ここに居るのは。



「……柳瀬、大丈夫か?」



こいつと私だけ、って事なのか…!?