もう一度だけ、キミに



―――…少し、時間が経ち。


歪んで滲んでいた世界も
クリアな世界に戻った頃。


ガチャリ…遠慮がちに開けられた扉の音が
静かな保健室に響き渡る。


部活で怪我した後輩が来たのかな、なんて思いつつ、ひっそりベッドの中でカーテン奥の様子を窺う。



「…あら?」



そう言って、カタンッと先生が椅子から立ち上がる音が聞こえ、どうしたんだろうと疑問に思っていると―――…




「――…西藤君じゃない、どうしたの?」




呼吸が、止まるかと思った。