「…拓海。今の何だったの?僕にはちょっと理解ができないんだけど。」
凛は不思議そうに首をかしげる。




「ふふ…、あいつおもしれぇな。しばらくの暇つぶしにはなりそうだ。」
俺はにやっと笑う。




「ちょっと、拓海。聞いてる?僕の話。」
「ああ、とりあえず仕事行くぞ。凛、車の用意を。」




「とっくにできてるよ、だから呼びに来たんだ。」
すこしすねたように言い返す。




「悪いな。…明日から、学校がちょっと楽しみだな。ふふ。」
「はぁ…頼むから僕の仕事を増やさないでくれよ…」




古ぼけた教室に取り残された整った顔立ちの二人は、静かにその部屋を出て行った。