私は祭壇からゆっくり体を起こした。




「ここは…どこかしら…わ、私ロミオを探さないと…」



祭壇をそろそろと降りる。その時、人影が足元に倒れているのに気がついた。慌てて助け起こす。




それは、今はもう冷たくなってしまったロミオだった。私はロミオを揺さぶる。

「ねぇ、ロミオ…ロミオ…起きてよ…二人で幸せになる未来を信じて私は待っていたのに…なんでこうなるの。」




涙がとまらない、嗚咽でうまく声が出ない…。ロミオ、ロミオ…




「おいていかないで…私もあなたのもとへ行くわ…待っていてね…

ただ一人の愛しい人…」

私はロミオの懐から短剣を抜き取り、自分の胸を突き刺した。




「あぁ、ロミオ…今、あなたの側へ…おやすみなさい…」

私は冷たく眠る愛しい人へ優しくキスを落とした。
唇と唇が重なりぬくもりが交りあう感触を味わう。




その瞬間、照明がゆっくりとフェードアウトしていき、幕が下りた。
館内は一気に拍手が巻き起こった。





暗くなったのを感じて、顔をあげようとした。

だけど、なぜか動けない…、私…頭を抑え込まれてる?




そして唇にあたる感触がどんどん深くなってきている気がする…?あれ?

逃げようとすると、それを追うようにさらに甘く深く重ねられる。




「んっ…う…はぁ…」酸素を求めて、一瞬開いた口の隙間から、生ぬるいものが侵入してきた




「!?」