VOICE

私はステージの真ん中の祭壇に横たわっていた。
照明が直にまぶたの裏にあたってチカチカする。

だけど足に体重がかからないだけ、まだマシかも…なんて考えていた。




ロミオの靴音が近づいてくる…私は意識を集中させて、死んだ様に静かに固まった。



「ジュリエット…ジュリエット!!」

ロミオが私の頬に触れる。

「何で…共に生きようと誓ったじゃないか…なのに…君は…こんなに冷たくなって…」




大粒の涙が顔にこぼれてくるのを感じる。

「今度はなんの争いもない世界で幸せになろう…僕も今君のもとへ行くよ…

あぁ、ジュリエット愛してる…お休み、僕の愛しい人…」



サラサラの髪が私の肌をかすめる。
ロミオは唇と唇が触れそうなほど顔を寄せた。



次の瞬間、グラリと倒れこんだ。毒をあおったのだ。