VOICE

ガァン!!

その時、すさまじい音と一緒に、外の光がなだれ込んできた。



「な!なんだ?」

「…この穢らわしい外道ども。今すぐお嬢様から離れろ…。」

地の底から響くような低い声に、私はビクっと身をすくめる。




そこにいたのは、全身からどす黒いオーラをまき散らす相良君だった。




「さ!相良君!!?」

「坂上さん!!」



突然の美少年の登場に、動きの止まっている不良たちなど目もくれず、相良君はまっすぐに私に駆け寄ってきてくれた。



「ごめん…僕のせいで。こんなひどい目に…」

素早い手つきでドレスの乱れを直してくれる。
表情が悲しげにゆがむ。



「…何でここが分かったの…?」




「相良凛…お前も目障りなんだよ…」
樹先輩が苦虫をかみつぶしたような顔で、相良君を睨み付ける。




「ツキミヤタツキ…今回の首謀者は貴様か…自分が何をしたか分かっているんだろうな。」

私を背後にかばいながらユラリと立ち上がる。
信じられないくらい、低い声に私まで恐怖を覚える。




「黙れ黙れ黙れ!!!そいつも女もまとめてやっちまえよ!!!」

「うぉおおおお!!!」

一斉に10人弱の不良たちが、相良君にとびかかってきた。



「逃げて!!!…って、え?」




相良君は素早くしゃがんだかと思うと手のひらで正面の男の人の顎を手のひらではじく、そのまま左右からの来る攻撃を避け、鳩尾に肘鉄を叩きこむ。



そのまま流れるような動作で不良たちをあっという間に片づけてしまった。

「安心して…全部峰打ちだからね。」そう言うと、ニコっと笑顔を見せる



「うわぁああぁ!」
樹先輩は慌てて逃げ出そうとする。



「逃がすわけないよ。」
その腕をものすごい力でとらえる相良君。



「一発殴らせてもらわないと、腹の虫が収まらないんだよッ!」

私はうっ!と目をそむける。




恐る恐る目を開けると白目をむいて伸びている樹先輩が目の前に倒れていた。