いよいよ待ちに待った神楽坂祭当日!



今日は校外からも多くのお客さんが来ているみたいで、校内はどこも人でごった返していた。



出し物は全体的に高級感があって、本当にセレブ高校って感じ。




今日私たちが舞台で使うのは講堂。

今日は特別仕様で、いつもの大きな講壇や赤じゅうたんは全て取り払われ、様々な大道具がセッティングされている。



私たちは控室で部舞台の準備を進めていた。あまり眠れなった私は目をしぱしぱさせながら着替える。




被服の子たちが採寸してゼロから作ってくれたドレスはすごく豪華で、体にぴったり馴染む。

あちこちに薔薇のモチーフが大胆にあしらわれていて、まさにお金持ちの御令嬢。



「奈々、すごく似合ってるよ!!」
鏡を通して雫がほほえみかけてくれる。



「て照れる…けど…ありがとう…。」
少し胸元とか、スリットが入ってる分の脚の露出は恥ずかしいけど…



「あとは、ヘアメイクね!」
雫が髪をコテで巻きながら、やわらかなハーフアップを作ってくれる。



私はその間に薄くメイクを施す。…アイラインは目じりだけ引こうかな…。




その時、鏡台に置いておいた私のスマートファンが光った。
「奈々、ケータイ鳴ってるよー。」
雫が指差す。



「あ、うん!…誰だろう?」ロックを外して見てみる。