VOICE

さて、少し前後してしまいましたね。

今は5月も半ば。長かった中間テスト期間が終わり、今日から校内は「神楽坂祭」、いわゆる文化祭の準備が本格化していきます。




実は、一条君のアフレコを見学して、芝居への興奮が目覚めた私。すぐ次の日に『演劇部』に入部いたしました!




大好きなシェークスピアの「ロミオとジュリエット」の1フレーズを携えて、部室(正しい演劇部部室は部活棟の4階でした笑)に行ったのだけど…





深く息を吸い込み、瞳を見開く。

「おお、ロミオ、ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?お父様と縁を切り、ロミオと言う名をおすてになって。

…それがだめなら、私を愛すると誓言して…そうすれば私もキャピュレットの名をすてます。」

つぶれそうなほどの激しい感情に身をゆだねる、自然と頬が紅潮するのを感じる…




パチパチパチ
私は一人の拍手の音に振り向く。

「すごい!一瞬で引き込まれた!!ねえ!どこで演劇やってたの!?」



ショートカットの女の子が私のそばまで来て興奮したように私の瞳をのぞく。




「え、えっと…」

「あ、私雫!!松岡雫(マツオカシズク)!同じクラスだよ!坂上さん!!すごすごい!!」




見ていた演劇部の皆さんも口々に素晴らしいと褒めてくださった。

「坂上さん、ぜひ私たちと同じ舞台を作りましょう。」

優しいメガネの部長さんに声をかけられる。




「はい!」私は背筋を伸ばして返事をした。