引きずられながらも、私は感動せずにはいられなかった。
スタジオと一言で言っても、ここはアニメの制作スタジオだったのだ!




「あぁ、『アイドルの★王子様っ!』のスタジオだ…、瑛斗くん可愛い…あ!あっちは『夢の剣』のレオ!!あぁ!非売品のポスターがあっちもこっちも!!え?今のって、ミーナ役の関愛良さん!?わ!!すごいすごい!!!」





オタクならだれでもよだれと涙を同時に流して、崩れ落ちそうな光景がそこには広がっていた。…どうか夢なら醒めないで…




「お前正真正銘のオタクだな…」
私のあまりの興奮具合に引きずることをあきらめた泉先輩。




「あぁ!!なんて素晴らしいの!!ここであの名作たちが生まれているのね…」

私はガラス張りのスタジオに顔を押し付けて、アフレコの現場を覗く。




「ちょっと、お前いくらなんでも、涙と鼻水くらいふけよ…」

「あ、すみません…。」

あっけにとられたような泉先輩の言葉で、私はハンカチを取り出して顔をふく。