ものすごい話を聞き続けてきたけど、ようやく頭の中が整理されてきた。





一条拓海くん。恭弥様の声優業もこなす一条グループの御曹司様。黒髪のクールな美形。





相良凛くん。拓海君の専属執事で、ミルクティー色の髪の毛と抜群の容姿(恭弥様に激似)でモデル業もこなしている(らしい)。





伊集院佑季先輩。歌舞伎の名家のお坊ちゃまで、自身は芸能事務所の運営に携わっている。一条君と相良君もこの事務所に在籍。茶髪の大人なお兄さん。





泉滉佑先輩。泉商社の跡取り息子。真っ赤な髪のヤンキーさん。





…とここまで復習してきた私はおかしなことに気付く。

「あの…3人のつながりは分かったんですけど…い…泉先輩って…なんで…」

しどろもどろにたずねる。どうしても、泉先輩のつながりが見えてこなかった。





「あ?」ギロリと睨まれる。
「ひぃいいい!!」




「お前、ひぃ!とか多くないか…もっと可愛い反応あるだろうが。」一条君の冷静なツッコミが入る。





その時、車が止まった。
「到着しました。スタジオです。」「すまない、急に悪かった。」

相良君が運転手に答える。




そのままゆっくりとドアがあく。
「坂上さん、滉佑と僕らのつながりはこれからの現場を見てもらえばわかると思うよ。」

相良君は先に車を降り、手を差し出してくれる。




男嫌いとか言ってる場合じゃないか。私はぐっと腹をくくり、エスコートしてくれる彼の手に、自分の手を重ねた。





よくわかんないけど、ここまで来たらもうどっしり構えとくしかないよね。