家の話がでてきて、むしろ冷静になった私はスマートフォンを取り出して、電話を掛ける。




「もしもし、私です。今急用ができて、学校を一時離れています。…はい…はい。大丈夫です。…この遅れは必ず取り戻します…はい。お騒がせいたしました。失礼いたします。」





ピッと切る。
「これで、大丈夫です。捜索隊が派遣されようとしていましたが、何とか間に合ったようです。」

ニコっと笑う。




「…お前、何者なんだ?」一条君が少し驚いたように言う。

「うーん。本家が少し大きいこと以外は普通の女の子だと思うけど。」




私は、鞄にスマートフォンをしまう。
なんかこの4人にペース持って行かれっぱなしだったけど、少し落ち着いてきた。




「私の家のことはこれくらいにして、そろそろみなさんのこと教えていただけませんか?

私もこんなことされて、黙ってられる程大人しくないので。なぜ、私を連れ出したんですか?」





雰囲気の変わった私に気圧されたように、静まる車内。




「ふん、思ってた以上にちゃんとした女だなお前。そういえば、ちゃんとした自己紹介がまだだったな。

着くまでにはまだ少しかかる。今日を一緒に過ごすなら、俺たちのことも知ってもらっていた方がいいし、ちょうどいい。」