教室の扉が開いた。
「やぁ、リンちゃん。ごきげんよう。」




扉の向こうにいたのは、私も知っている人たちだった。




「佑季、それに滉佑まで…一体何の用?」
名前を呼ばれた相良君がカタンと立ち上がる。





「いやー、ちょっと人を探しててね。って、いたー!」
私はビクッと肩を震わせる。




そこにいたのは茶髪の素敵なお兄さんと、昨日ド派手にぶつかった赤髪のヤンキーさんだった。




「うるせぇな、佑季がなんでここにいる…って滉佑も?」
騒ぎに気付いた一条君もゆっくり近寄ってくる。



「あー、おーいたっくーん!元気―?」へらっと笑顔で声をかけるお兄さん。

「あー、うっとおしい。なんだよ要件は。」

「ぶー。たっくんの意地悪ぅ。ボク達はね、そっちのお嬢様に用事なの。」





そういうとそのお兄さんは大きな紙袋を持って、教室に入ってきた。
「はい。お忘れ物ですよ、お嬢様。」



私は紙袋を受け取る。「あ!これ!」

「昨日はなんか驚かせたみたいだったし、改めて持ってきたよ。そして、これはお詫びね。」




指差された手首の方に目を落とす。
「え?」




いつのまにかシルバーの細いブレスレットがついていた。小さなピンクの石がキラリと輝く。




「…いつの間に…?」
「ふふ、内緒。」
お兄さんは口元に指を立てて、可愛くウインクをした。





「きゃーーーー!!!ユキ先輩本当素敵!!!」

「贈り物されたあの方はどなた?見かけない顔ですわ…」

「編入生の方よ!あー!うらやましい!!」