VOICE

「あ、忘れてた。こいつ、凛な。俺のトモダチ。」
その男の子は美しい顔をふいに私に向けた。




「改めまして初めまして、坂上さん。僕は相良凛(サガラリン)です。拓海の専属執事を務めています。

拓海があなたを選んだので、僕もこれからは主の相手として接しますね。以後よろしくお願いします。」




そういうと相良君は私の手をとり、まるで西洋の王子様みたいに手の甲にキスをした。




「ひやぁっ!!」私はすごい勢いで手をふりぬいた。
今…手に…唇が…。思わず涙目になる。




「おい、いきなりやめろ。ビビってんじゃねえか。」

「ごめん…こんなに驚かせるつもりじゃなかったんだけど…」

相良君は私の反応に驚いて、目を丸くしている。




「あの、すみません…、嫌いとかじゃなくて…、条件反射で…」私はその美しい王子様を困らせてしまったことが、すごく申し訳なかった。




「いえ、僕も少し不躾でしたね。以後気を付けます。」そういうと優雅に笑った。





「ってそういえば…」なんか古めかしい言葉が出てきた気がする。
相良君は…一条君の…「え!?執事??」



「はい。僕は一条家につかえる正式な執事ですよ?」

「俺は認めてないからなー。お前と俺は主従関係じゃない。」
「いや、僕の主は拓海だけだから。」



うん?王子様は執事様???
…執事なんて…今の日本にも存在したんだ…お金持ちの生態ってホントに謎…
私は頭の中がぐるぐるのまま、ふたりのあとについて教室に戻った。