「はぁ?何それ意味わかんない、絶対嫌だ!!!」

「じゃあ、俺お前のこと腐女子って呼ぶ…」

「あーーーー!それはダメ!!」

「じゃあ…」





「わわわかりました!奴隷でも下僕でもなんでもやりますから!」

「別にそこまで言ってねえよ、別に彼女になれって言ってるだけで…」

「そそそそれは無理なので代わりに下僕にしてください!!どうか!!」





私は必死に言いすがる…。
くすっ。そんな私を見た男の子は笑った




「ふふ…本当意味わかんねー。普通、俺が彼女になれとか言われたら、女って喜んで食いつくもんだぜ…。本当、お前って…」




トクンと心臓が跳ねる。
さっきまでの低い声じゃなくて、優しくて少し甘い声…
本当に間違いなく「恭弥様」の声…




顔に血が集まるのを感じた。






「ま、いいや。今はそれで。お前のこと気に入ったから俺。しばらく俺に絶対服従だから。」

顔をぐっと近づけられ、私は身じろぐ。
やっぱりきれいな顔してる…な…。




「俺は一条拓海(イチジョウタクミ)。お前は?」
「坂上…です、坂上奈々…。」




「奈々か。じゃあ改めてよろしくな、腐女子の奈々ちゃん」

「だから!」

「分かってるって。いくぞ奈々。」

「…はい。」私はしぶしぶ一条君の後に続く。




「あ、とりあえず俺が声優やってるってのは内緒な。親に隠れてやってるから、ばれるとまずい。」

「了解です…」

「あと、凛。こいつ一応俺のもんだから。よろしくな。」




「はいはい。警護は任されました。」
ずっと大人しく見守っていたミルクティー色の髪の男の子が口を開く。