「は?大差ねえよ、要はキモオタってことだろ?」
「キ、キモ…」
その言葉に愕然とする。




「はぁ…。拓海、女性に対するその言葉遣いはいいかげんどうにかなんないの…」

「うっせえな、俺は事実しか言ってない。」




…ヤバイヤバイ。私は冷や汗がふき出してくるのを感じた。
オタバレしないでやり過ごすのが私のミッションだったのよ…それが一日もしないで、こんな人に知られるなんて…。





私は顔の前で両手をパンっと合わせた。
「一生のお願いです!!私がオタクってこと、みんなには内緒にしててもらえませんか!?」

「は?」

「私目立ちたくないんです!お願いします!何でもしますから!この通り!!」




オタクってばれるのは本当に恥ずかしい…。しかもばれてしまえば、もういろいろ社会的地位がなくなるのは確実。何が何でもここでとどめておかないと…




「…いいぜ。黙っておいてやるよ。」
「へ?」私は優しい声にぱっと顔を上げた。




でも…顔は全然優しくなかった。
にやりと妖艶な笑みを浮かべて、スッと距離を詰める。




「ひっ!」ぞわぞわっと嫌な感覚が体をはしる。




「交換条件だ。お前、今日から俺の女な。」


…は?