「チッ。逃げられたか。…二年か、あいつ。」
赤髪の少年は奈々の出て行った玄関を確認し、一つの番号に電話をかけた。




「あ、おい。凛か。」
「もしもし、こうすけ?どうしたんだい、珍しい。」

「ちょっと、人探しててよ。…あー、2年に新しいやつ来たか?」
「…ごめん、拓海のサボりに付き合わされて、今日はクラスに行ってないんだ。」

「あー使えねえな。ならいい、要件はそれだけだ、じゃあな。」




返事も聞かずに一方的に切る。
まぁ、学年さえ目星ついてればどうにかなるだろ。









やっとのことで帰宅した私。
初日からとんでもないことだらけだった…。




「…やっぱり3次元の男に人って怖い。」
鞄を投げ捨て、ベッドに突っ伏す。




やっぱり恭弥様がいい…な。恭弥様は私の嫌がることはしないし…。
オタクでもいいもん、私は幸せ…




…何か大事なことを忘れている気がしたけど、疲れ切っていた私はそのままうとうと浅い眠りに沈んだ。