「じゃなくて!」
脳内ですっかり入学式にトリップしていた自分に気付き、雪見は両手で机を叩いた。
「じゃなくて、なんですか?」
加山が、首をかしげる。
「夏休みのホラ研の活動の説明よ!そのために、こんな幽霊部員だらけの部活が集会を開いたのに・・・!!」
「でも、部長たちがまだ来てないですし。」
暮山が雪見に全く目もくれず、端末をいじったまま答えた。
その後輩の態度に多少のいらつきを感じながらも、雪見は自分の言いたいことが伝わらないことにもどかしさを覚えた。
開かれた窓から、なんともいえぬ生ぬるい風が吹いてきた。
「そうじゃないわよ。だから、何か練習するわけでもないこの部に、夏休みの活動なんて、思いつかないじゃない。不思議ね、っていうことを言いたかったの!」
ホラー研究部。
普段の活動内容と言えば、部室でホラー小説を読むか各国のホラー映画の鑑賞くらい。
その活動さえ、在籍する人数は多いのに参加しているのは、一年生と二年生に三人ずつと、三年生に二人だけだ。
去年だって、夏休みの活動など存在しなかった。


