病院に着くとなおの両親も俺の両親もかけつけていた。
「親父仕事は?」
「休んだ!だって初孫だぞ?早く見たいから」
悲しいほど俺たちは親子だな。しかも双子となればなおさら早く対面したいよな。
「親父さんも仕事抜け出してきたんですか?」
「うん!なおは勝ち気だけどどこか繊細な部分があるから心配で……」
うん。俺もそう思う。
「ああ!自分の娘があんなに泣き叫ぶ姿は見てられなかったぁ!!きついわ……」
ええ!?なおが泣き叫ぶ?!
「そんなに苦しそうだったんですか?!痛がってたの?あのなおが?!」
「うん。親の私も初めて見た……」
なおのお母さんはとても心配そう……
「直哉……子供が生まれてくるって本当に大変なことなのよ。産後はなおちゃんをきちんといたわってあげなさい」
「うん」
言われなくてもめちゃくちゃいたわるよ。大切にするよ。
俺はなおが陣痛の痛みで泣き叫ぶ姿を見なくてよかったと思った。
ただでさえ不安で心配なのにそんな姿を見たらいてもたってもいられないもん。



