ツッチーはすぐに私の表情で悩んでいることを当ててしまう。
だから抱き締められたまま顔をあげないでそのまま口を開いた。
「私たちには早いよ。私が仕事復帰するまで貯金なんて全くできてないし……もう少し貯蓄してから……」
「生活なんてどうにかなるって。なおは?赤ちゃん欲しくない?」
ツッチーを騙しているようで心苦しいうえに
この質問。
自分のことを心の底から大嫌いになったのは初めてだったかもしれない。
「……私はまだいい」
小さく呟いて目も合わさないでツッチーの体から離れようとしたらまた手を握られる。
「なお?何かあった?」
「ないよ?お腹すいたからご飯食べよう?」
必死で冷静を装っていたけどツッチーにはきっといつもの私と違うように映っていたのかもしれない。
「なお」
「もういいじゃん!この話は!しつこいよ!!」
一一最低。
それから私はツッチーの目を見れなかった。きっと私の言葉で傷つけた。
私ってこんなに自分勝手な奴だった?
だってツッチーに本当のことを言った時の反応を見るのも
怖かったんだもん……



