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◎リクエスト◎
vicringo様



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自分が他の人と違うんだと気付いたのは幼稚園のころ。



男の子として生まれてきたのに青いクレヨンより赤いクレヨンのほうに惹かれた。



そして小学生の時に初めて気付いた。男の子にドキドキしている自分。初恋は同じクラスのリーダー的存在の男の子。



ああ……僕はゲイなんだ。



思春期の時は誰にも言えなかった。



変な目で見られる。
いじめにあうかもしれない。



だからわざと女の子っぽいキャラを自分でつくった。そんな僕のキャラは男女ともに受けて友達は多かった。



両親には真実を話していた。もちろんショックを受けていたけど今は理解してくれている。



僕が「死にたい」って口にしたから。


お母さんは泣いてた。だって一番理解してほしい親に理解してもらえなくて自分を偽ってまで生きていたくなかったから。



何日も口を聞いてくれない月日が流れて……やっと僕の意志を受け入れてくれたのは高校の卒業式。



“一度きりの人生だから悔いのないように生きなさい。”



その言葉は本当の僕を出すのと引き換えにこれからの人生、辛いこと、壁にぶち当たるって意味も含められていたってこと……



十代ながら理解していたよ。


楠本 慶一郎(19)。
美容専門学校に進学した。