「廉斗、くん!ほんと、離れてよ!誤解されちゃうから」
それにこれ以上こんな距離にいたらおかしくなっちゃう。
でも、廉斗くんは離れてくれなくて思わず顔をそらしてみたけど廉斗くんによってそれは阻止された。
両手で頬に手を添えて、
今にもキス出来ちゃう距離でじっとあたしを見つめる。
「廉斗、くん………」
「誰に誤解されるの?」
「え?そんなの廉斗くんの好きな……」
"好きな人"
その言葉はどうしても言えなかった。
「緩菜ちゃんこそ誤解されちゃうんじゃないの?好きな人に」
「廉、斗……くん?」
「緩菜ちゃん、好きな人いたんだね」
寂しそうな顔をして廉斗くんはあたしからそっと離れた。
指をあたしの唇にそっと当てて、
なぞるように触れた。
「他の男にキス……されてんなよ」
「……え……廉斗く」
廉斗くんは部屋を出て、残されたあたしはただぼーっとベッドに座っていた。
ねぇ廉斗くん……
どうしてそんな顔、するの?
あたし、これからどうやって廉斗くんに話しかけたらいいのかな……、

