唇と唇が触れ合うまで1センチもない。
あー…もうだめだ。
ぎゅっと目をつぶり肩に力をいれた時、
「如月ぃぃぃぃー!!!!」
思わず耳をふさいでしまいたくなるほどの音と共に、聞き覚えのある声がした。
「はっ、意外と早い登場だな。でもざんね~ん!もう遅いから」
どうして?
ねぇどうして?
「おいてめぇ。緩菜ちゃんから離れろよ」
「やだねって言ったら~?」
どうして廉斗くんがいるの?
「は?んなもん、こうにきまってんだろーが!!」
ドスっーー
鈍い音と共にあたしの上にまたがってた如月くんは床に倒れこんだ。
「れれ廉斗っ……だめだよ、廉斗くんが捕まっちゃうよ!」
廉斗くんは如月くんを殴っていて、
まだ足りないのかもう一度殴ろうとしてるのをあたしは急いでとめた。
廉斗くんは手を止めてしゃがみこみ、あたしと目線を同じにした。

