「廉斗……」

「……んだよ」

「そんな好きいらないってやつ、撤回しろよ」

「奏太までなにいってんだよ。
それより俺急いでんの奏太知ってるだろ?」



廉斗の表情からは焦りしか感じとれない。


如月雅とカラオケに行ったのが本当なら緩菜ちゃんが危ない。


本当はすぐにでも行かなきゃいけねーけど、こいつにはちゃんと言わなきゃいけない。




「廉斗は緩菜ちゃんだけに甘くて、
だけどその甘さイコール好きだろ?」

「おい奏太、聞いてんのかよ!」

「……なら緩菜ちゃんはどうなんだよ、
昨日の緩菜ちゃんイコール好きじゃねーのかよ!」

「………は?」

「ばかな廉斗に教えてやるよ。
緩菜ちゃんの好きな人は、
緩菜ちゃんが死ぬほど恥ずかしいことが出来る奴だよ」



これでわからなかったら、
廉斗ら世界一ばかだ。

そんで、
廉斗は緩菜ちゃんを幸せになんて出来ないよ。



「………奏太」

「さっさと緩菜ちゃんのとこいってやれよ」