「ちょっとあんた!廉斗様になにしてるのよ!」

「廉斗様、大丈夫ですか?」


柊のファン達があたしに罵声をあびせて、
柊の周りに群がる。



「……痛い?痛いよね。でもね、緩菜はもっと痛かったんだよ」

「…………」

「あんたが何を思って妹って言ったのかわからないし、
何を思って緩菜に距離をあけたのかも理解出来ないよ。

もしかしたら、全部あたしのお節介かもしれない。

だけどね、緩菜傷付けといて緩菜ちゃん緩菜ちゃん言う資格ないよ!!」



柊に怒鳴り付けて
あたしは乱暴に鞄をとり教室を後にした。





少ししてあたしを追いかけるかのように
聞こえてくる足音に安心して、
1粒、涙を落とした。