緩菜のあんな顔初めて見た。

きっと緩菜をあんな顔にさせたのは柊しかいない。そしてその原因をつくったのは、
きっとあたしだ。


バスタオル姿でやったなら、きっと柊は顔真っ赤にして緩菜を抱きしめ返して、
すきだよって言うと思った。


だけどあの様子からしてきっと違うんだろうな。


あたしが緩菜を思って言った事、余計なお世話だった……。




「緩菜ちゃ~ん」


教室に橘奏太と、その後ろに柊が来た。

その瞬間胸が締め付けられて痛む。


あの後ほんとに一緒にご飯食べに行って、連絡先交換して、少し橘奏太の事気になってるんだよね。



「花梨ちゃん!緩菜ちゃんは?」

「緩菜なら帰ったよ?なんか、カラオケに行くんだって~」


あたしのカフェは断ったくせに如月とはカラオケに行くんだもん。



「カラオケ?だれと?」

「だれとって如月だけど」

「如月……雅?」


え?それがどうしたの?
まさかあたし……言っちゃいけない事言った?


「おい廉斗、緩菜ちゃんが」


え?え?なんでそんな険しい顔してんの?


橘と柊は何かを話していて険しい顔をして2人して教室を出ようとしたところを、



「ストップストーーップ!!」



あたしは2人の前へ出て止めた。