廉斗くんはあたしの回してる腕をそっとほどいて、すっとベッドから立ち上がった。



「……廉斗、くん?」



廉斗くんはあたしの方を見てなくてそのままあたしを見ずに、
あたしの呼びかけに応じず、

部屋をでていってしまった。



1人だけになった部屋であたしは何も考えずにねまきに着替えた。



頭に何も入ってこないけど、

ただ1つわかったことがあった。


あたし、引かれちゃったんだ……。
嫌われちゃった……よね。
廉斗くん、顔すらみてくれなかった。
あたしの名前も、呼んでくれなかった。


女としてみてもらういぜんに、
あたし色気なかったんだ。


妹としてみられてるのに、
あたしってほんとばかだな。



だけどもう妹としても見てもらえないかな?気持ち悪かったかな?


花梨がなんであんな事言ったかわからないけど、やるんじゃなかったよ。




結局その日は日付が変わっても廉斗くんは部屋に戻ってこなかった。


廉斗くんが戻ってくるのを待って、
夜中までずっと起きてたけど
知らない間にあたしは寝てた。


ベッドに座るわけにもいかなくて、
だけど堂々と座るのもなーって思って、
部屋の隅の方にちょこんと座って
その体勢のまま、
朝が来たのだ。