「緩菜ちゃんばいば~い」

「うん!また明日ね」


「緩菜!頑張ってね」

「なにを?」

「なにをって、こ・く・は・く❤でしょ?
返事頑張れ~」


花梨他人事だとおもって……。
断るのってけっこう勇気いるんだから。


「それと王子様も頑張れ~」


王子様って、廉斗くんの事だよね?


「なんで廉斗くん頑張らなきゃいけないの?」


あたしが廉斗くんに片想いしてるから?
………しか、ないよね。


花梨はなにを思ったのかあたしに手招きして耳元でボソっと、




『ヤキモチ王子は甘くないよ』



「え?」


バッと顔を上げると花梨はニヤニヤ笑っていた。



「じゃあまた明日ね~」

「え?ちょ……花梨」



………行っちゃった。

花梨が言ってた、ヤキモチ王子は甘くないよってなんだろう。