いつものように仕事を終えると、
「ただいま」

京香は家に帰ってきた。

「ママ、お帰りー」

パタパタと足音を言わせながら、都が玄関まで迎えにきてくれた。

「お帰り」

都の後ろから春馬が現れた。

「あれ?

お前、顔色悪くないか?」

京香の顔を見たとたん、春馬が聞いてきた。

「えっ…ああ、昨日から何だか体調が悪くて…」

そう答えた京香に、
「風邪か?」

春馬が言った。

「私もよくわからない」

息を吐いた京香に、
「あんまりひどいようだったら、病院へ行った方がいいぞ」

春馬が言った。