それから1週間後の昼休みのことだった。

「上杉さん」

恭汰は京香に話しかけた。

「何ですか?」

京香は聞いた。

「5分ほど話がしたいんだけど、いいかな?」

そう聞いた恭汰に、
「いいですけど…」

京香は呟くように答えた。

隣の会議室に京香と一緒に入った。

「それで、話って何ですか?」

そう聞いてきた京香に、恭汰はスーツの胸ポケットから白い封筒を出した。

京香からもらった1万円札が入っている、あの封筒だ。