扉へ目を向けて驚く。 そこにいたのは御堂君だった。 「御堂君……、どうして……」 御堂君はツカツカとこちらへ歩み寄ると、あたしの前の席にドカッと腰を下ろした。 あたしは思わずピシッと背筋を伸ばして固まった。 「やることあんなら、俺に言えよ」 低い声。真っ直ぐ向けられる鋭い瞳。眉間に寄ったシワ。 3拍子揃った御堂君があまりに恐ろしくて、目頭がカーッと熱くなる。