「でも、お前らがあの子にマジなの知ってたし……言いだしずらかった。俺も悪かった。ごめんな」


朝陽の言葉に、椿君は納得したようだ。


『もういいって。過去の話だし。つーか、俺も色々ごめん。如月さんにも謝っておいてよ』


電話越しで椿君の声がした。


「分かった。じゃあな」


朝陽は電話を切るとあたしの方に視線を向けた。


「聞いてたか?」


「……うん」


「そういうことだから。もう何も心配すんな」


あたしの気持ちを全て見透かしたように言う朝陽。


「うん」


小さく頷くと朝陽の顔がゆっくり近づいてきた。


あたしはそれを受け入れるようにそっと目を閉じた。