朝陽の胸を必死に両手で押してこれ以上はダメだと訴えても、朝陽は唇を離そうとはしない。 「え~?何も聞こえないじゃん」 「うそぉ……。さっき聞こえた気がしたんだけどなぁ」 「もしかして、お化けじゃない~?うわぁ、怖い!!お先に~!!」 「ちょっと待ってよ!!」 ふざけ合って昇降口を飛び出していく女子生徒達。 シーンっと静まり返った昇降口であたしはホッと胸を撫で下ろした。