すると、朝陽がすっとあたしの体に回す腕の力を弱めた。 不思議に思った時、ふいに唇に温かい何かが触れた。 朝陽からもたらされた甘いキスに思考が働かなくなる。 「んっ……」 朝陽のYシャツをギュッと掴んで朝陽からのキスを受け入れていると、ザワザワというしゃべり声が聞こえた。 誰かが昇降口へ向かっているようだ。 「朝陽……誰か来たよ……?」 唇を離してそう言うと、朝陽はグイッとあたしの腕を引っ張った。