ゆっくりとした動作で振り返った朝陽はわずかに目を細めたあと、すぐに向き直り再び足を進めた。 「お願い、待って!!!」 そう叫んで走り出して、朝陽の前に回り込み行く手を塞ぐ。 「そこどけよ」 「い、嫌!!」 「お前、俺のこと好きじゃないんだろ?」 「……――違う!!」 思わず叫ぶと、朝陽は少し驚いたように見えた。