「ハァハァ……」


息があがる。


全速力で階段を駆け下りて昇降口へ向かう。


すると、昇降口の手前で見覚えのある背中を見つけた。


大きくて大好きな広い背中。



「……――朝陽!!」


あたしは迷うことなく朝陽の背中に呼びかけた。