「実はね、あたし……この間見ちゃったんだよね~」 「見ちゃったって……何を?」 聞き返すと、千恵ちゃんはニヤッと笑った。 「如月さんと椿君が誰もいない教室でキスしてるところ」 「……え?」 思考がピタリと止まる。 真っ白になった頭の中で千恵ちゃんの言葉だけが何度も繰り返される。