「愛音?ちょっと、愛音ってば!」 目の前でブンブンと手のひらを振られてハッとする。 「あっ、うん?」 「何ボーっとしてんのよ」 「ごめんね。何でもないよ」 「テストが終わって燃え尽きないでよ~!!テストから解放されて今日から遊び放題なんだし!ていうか、今度カラオケ行こうよ~!」 「うん、いいね~!」 さっきの千恵ちゃんの視線はいったいなんだったんだろう。 ……大丈夫だよね……? 千恵ちゃんの表情が今も心のどこかに引っかかってはいたものの、あたしはそれを無理矢理考えないようにした。