「別に無理する必要はないだろ。誰だって得意不得意はあるし。愛音は人前でしゃべるのが苦手ってだけだろ。愛音にはいいところもすげぇたくさんあるんだから、もっと自分のこと好きになれよ」
自分のことをもっと好きになれよ……か。
確かに自分のことを好きになってあげることが自信に繋がるんだよね。
「そうなんだけど……変わりたいって思うの。朝陽みたいにみんなの前で堂々と自信を持ってしゃべれるようになれたらいいなぁって」
「……別に自分に自信があるわけじゃねぇよ」
何故かワンテンポ遅れてそう言った朝陽。
「朝陽にも……自信がないことがあるの?」
「あるに決まってんだろ」
「例えば……どんなこと?」
興味があった。
何でもそつなくこなす朝陽の弱点っていったいなんだろう。
「誤解されてんのにその誤解を解くこともできねぇし、それをその相手にうまく伝えられないこと」
「誤解……?」
あたしが聞き返すと朝陽はハッとしたように「何でもない」と一方的にその話を終わらせてしまった。
何故か沈黙が漂う。
あたしはわざと声のトーンをあげた。
「で、でもさっ、ハキハキしゃべれてみんなのことをまとめられるってすごいことだよ!!本当に尊敬しちゃう!」
「そんな熱くなるなよ」
電話越しで朝陽が呆れたように笑っている。
「っ……!」
その途端、急に恥ずかしさが全身に込み上げて顔が真っ赤になる。



