「よしっ、とにかくまずは声をかけてみよう」 授業中も休み時間も寝ていることの多い朝陽。 放課後なら確実に目を覚ましているし、確実に言葉を交わせる。 鏡で前髪をチェックしてトイレから出ると、 「……あ」 隣の男子トイレから出てきた椿君とかちあった。 目が合ったものの、なんて言ったらいいのか分からずにニコッと笑うと椿君もつられて微笑んだ。