「いやいやいや、まだ付き合ってから1か月も経ってないし、うちはマズくねっ!?っていうか、部屋めちゃくちゃ汚いし!?」
なぜか慌てふためく鈴木君。
顔が引きつり、落ち着きがまったくない。
すると、そんな鈴木君を見つめて目を細めたカナコ。
「琥太郎のバカ!そんな分かりやすく拒否してんじゃないわよ」
ペシッと鈴木君の頭を叩いた後、カナコはニコッとあたしに微笑みかけた。
「って、今みたいに御堂君を誘ってみればいいんだよ。自分が一緒に行きたい場所とかしたいこととか……そういうのを相手と共有するのが大事だよ」
「いやいや!べ、べ、別に拒否してるわけじゃないけどさ!!」
必死でそれを否定する鈴木君。
何だか最近、鈴木君の態度がおかしい。
「そ、そっかぁ……。そういうものなんだねっ!!カナコありがとう!すごい参考になったよ」
よしっ。今日早速それを実践してみよう。
あたしは自分自身に気合を入れて放課後に臨んだ。



