「番号交換しようとしてんじぇねぇよ。早く引っ込めろ」
「み、御堂君!?」
驚いて顔を持ち上げると、いつの間にかあたしの右横に立っていた御堂君が男の人のスマホを手のひらで押し返していた。
額にかいた大粒の汗。わずかに呼吸も上がっている。
走って来てくれたのかもしれないって勝手に想像して……ちょっぴり嬉しくなる。
「朝陽、お前何でここにいるんだよ。つーかこの子知り合いなら、俺に紹介してよ~!」
「無理」
「ハァ~?お前、モテるんだし一人ぐらい分けてくれたっていいじゃん」
唇を尖らせる彼に、御堂君が冷めた視線を送る。
タメ語をつかっているっていうことは、御堂君とこの男の人は同い年なのかもしれない。
……っていうことは、あたしと同い年ってことだよね……?
そんな風には見えないなぁ……。
「つーかお前、女いるだろ?チクるぞ」
「……はっ!?いやいやいや、それは困る!!つーか、ちょっとふざけただけじゃん!!」
「でも、今回は助かったしチャラにしてやるよ」
御堂君は「ありがとな」と彼に告げると、あたしの手をギュッと掴んで歩き出した。



