「ごめん、俺、如月さんに嘘ついた。朝陽がバイトしてるのは本当だけど、今日はガソスタでバイトじゃない」
「どういうこと?」
「今日は知り合いに頼まれたらしくて、このあたりの出店でかき氷売ってるはずだよ」
「そうなんだ……?」
椿君がどうしてそんな嘘を吐いたのか、その理由はよく分からなかったけれど、御堂君が近くにいるのは間違いないようだ。
「俺、先戻ってるから。朝陽にあったらよろしく言っておいてよ」
「うん!!あたしも御堂君に会ったらみんなのところに戻るね」
「……――朝陽が如月さんを返してくれるかは分かんないけどね」
椿君はそう言うと、「迷子にならないようにね」と手を振って土手の方へ向かった。



