「あのっ、立候補してくれる人は……いませんか?」 クラス中をぐるりと見渡す。 クラスの約3分の2が男の子だ。 この中でやってくれそうな人がいないか視線を走らせる。 あたしと目が合うと絶対にやらないぞと空気でアピールしてくる人。 パッと顔を反らしてうつむく人。 楽しそうに周りの子とおしゃべりをして、あたしの話なんてまったく聞く気のない鈴木君。 机に伏せて眠っている茶髪君。 興味なさそうにぼんやりと窓際の席から外を眺めている金髪君。 ……このままじゃ永遠に決まりそうにない。