「椿君……浴衣似合うね」


「いや、如月さんの方がよく似合ってるよ」


文化祭でのキス以来、椿君とはギクシャクしていた。


今もこうやって話すのはどこか緊張する。


その時、ふとあることに気が付いてあたしはキョロキョロと辺りを見渡した。


「朝陽のこと探してんの?」


「……え?」


気持ちを読まれてビックリして顔を上げると、椿君はちょっぴり困ったように笑った。