「王子様、聞いてください。この美しい白雪姫が……死んでしまったのです!」 小人役のセリフが終わる。 「そんな……。嘘だろう……!」 椿君のセリフが終わった。 このセリフの後、キスが訪れる予定だった。 けれど、お客さんからしているようにみえればいいだけ。 目をつぶったままできるだけ息を殺してその瞬間を待っていると、不意に唇に温かい感触が伝わってきた。