あたしの心配をよそに、劇の上演時間になった。 今まで練習してきた成果を発揮するために、みんな一生懸命役を演じている。 何ひとつ問題が起こらないまま終盤にさしかかった。 予定通り棺の中に入り、目をつぶる。 椿君演じる王子様のキスで白雪姫は息を吹き返す。 昨日の夜何十回とシュミレーションしてきた動きをもう一度頭の中で確認する。 大丈夫大丈夫大丈夫。 そう言い聞かせていると、ついに番がやってきた。