教室には誰もいない。 椿君は文化祭実行委員の集まりに参加しているし、しばらくは御堂君と二人っきりの時間が続く。 ドキドキドキ。 自分の心臓の音が御堂君に聞こえてしまうんじゃないかって心配になる。 耳が熱くなるのを感じて、手元に意識を集中する。 「なんか手伝うことあるか?」 しばらくして御堂君がそう尋ねた。 「えっと……――じゃあ、この穴を塞ぐように縫ってもらえるかな?」 出来るだけ平静を装って机の上にあった穴の開いている衣装を掴み御堂君に差し出す。