その日を境に、忙しい日々が始まった。
数年単位で劇が変わるらしく、5年前に卒業生がやった白雪姫の衣装が倉庫に残っていた。
でも、どれも手直しなしで使える感じではなかった。
ところどころ破けていたり、ほつれていたりする。
小人役も王子役も以前は女子生徒でおぎなっていたけれど、今年からは男子が担当する。
サイズも違うし、作り直しが必要だろう。
あたしは放課後、家政科室で借りてきたミシンで衣装を縫い直す作業に追われていた。
「お前、手先器用だな」
机の向かい側に座る御堂君。
「そ、そうでもないよ……?」
御堂君に見られていると思うだけで緊張で指先が震える。



