「桜沢さん。 桜沢さんと秋さんが対談した時、何を話したか覚えてますか??」
畑田は、また本題ではない話をし出した。
「・・・・・・・・・・・・・覚えてるよ」
鮮明に覚えてる。 だって、あの時オレは秋に恋をしたのだから。
「アキさん、桜沢さんの事を『オウサワさんって読むのかと思った』って言っていましたよね?? ・・・・・・・・・・・・女子ってやりがちなんですよ。 好きな人の苗字に自分の名前くっつけるの。
ただ、そのままくっつけただけでは見つかり易い。 だから彼女は『オウサワ』と読み方を変え、逢瀬の『逢』に旧字体の『澤』で『逢澤』と漢字をも変えて、名前もカタカナにして、見つからない様にしたんです」
秋を知ろうと懸命になってくれた彼女には、充分に説得力があった。
「ワタシは本物だと思いました。 でも、そうじゃないかもしれない。 桜沢さんが見ればきっと分かる。 本物なのか、違うのか。 ・・・・・・・・・・・見てみてください」
畑田が、近くのテーブルに置いてあったパソコンを指差した。
畑田に促されるまま、パソコンを開き『逢澤アキ』と打ち込む。



