君と僕等を、繋ぐ線。










「オレ、物事を丸く収めるの得意な方だから。 なんとかするから、異動早々周りの人に心配かけるなよ」







『泣くな泣くな』と北村さんが、カバンからポケットティッシュを取り出し、ワタシの膝の上に乗せた。







「・・・・・・・・・・・・優しすぎますよ、北村さん。 何で怒らないんですか??」







「・・・・・・・・・・・・まぁ、怒ってなくはないんだけどね。 ただ、オレには出来ないインタビューだったなぁと思って。 桜沢悠斗がツアー最終日で言った言葉なんて、ツアー後に発売されたライブDVDでカットされてたから、行った人しか分からない事じゃん?? きっと他の出版社の記者の中にもライブレポのシゴトでその会場にいた人間はいたと思うけど、桜沢悠斗の言った言葉を覚えてる記者なんていないんじゃないかなーと。 だって、その記者は他にもたくさんのバンドのライブに行ってレポ書いてるハズだから、ピンポイントで桜沢悠斗の話を記憶している事はないだろうと思うんだ。
アレは、畑田さんだから出来たインタビューだったなーって思う。
だから、オレが向こうに行って頭下げてる間に、畑田さんにしか書けない記事を書いてよ」








『それに、里中に畑田さんの事頼まれちゃってるしねー。 出来る限り守るから』なんて男前な事を言う北村さんを、『至って普通な健康優良男子』なんて目で見てしまっていた事を深く反省。







ワタシに彼氏が出来ないのは、単に男を見る目がないからだ。








北村さんの優しさに涙しつつ、絶対にどこの出版社よりも目を引く良い記事を書かなければ!!と奮起した。